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寄せ植えは、完成した日から始まる。
寄せ植え教室や園芸講座を開催すると、 最後に完成した作品を手に、皆さんが笑顔で帰られる姿があります。 その瞬間は、講師として何度経験してもうれしいものです。 でも私の中では、講座はそこで終わりではありません。 むしろ、その日から植物との暮らしが始まるのだと思っています。 寄せ植えは、一度作って完成する作品ではありません。 季節とともに花が咲き、葉が茂り、ときには伸びすぎたり、花が終わったりしながら、少しずつ姿を変えていきます。 その変化を楽しめるようになると、園芸はぐっと面白くなります。 だから講座では、寄せ植えの作り方だけでなく、その後の管理についてもできるだけお伝えするようにしています。 水やりのタイミングや置き場所、切り戻しや肥料のこと。 どれも少しの知識ですが、その積み重ねで植物の表情は大きく変わります。 植物は言葉を話しません。 けれど、葉の色や伸び方、花の咲き方など、その時々の様子をよく見ると、小さな変化を教えてくれます。 今日は少し元気がないかな。 新しい芽が出てきたな。 そんなふうに気づけるようになると、植物との距離が少し近づいた
8月2日


どうして夏になると、園芸店の花苗はこんなに安くなるの?
園芸店で「SEAL」「大特価」と書かれた花苗を見て、 不思議に思ったことはありませんか? 「売れ残りだから?」 「品質が悪いから?」 そう思われる方もいるかもしれません。 しかし、実際にはそれだけが理由ではありません。 私はほぼ毎日園芸市場へ仕入れに行っています。 その中で見えてくるのは、生産者、市場、そして園芸店、 それぞれにある"夏ならではの事情"です。 理由① 生産者が安く出荷しているから 夏は花苗の流通量が増える時期でもあります。 農家さんにとって、花苗を長く持っていることは大きな負担になります。 毎日の水やりや管理には手間とコストがかかり、 売れ残れば品質が落ちたり枯れてしまったりすることもあります。 そのため、「ロスになる前に出荷したい」 という考えから、通常より安い価格で市場へ出荷されるケースが多くなります。 理由② 夏はお客様が少なくなるから 暑くなると、高齢の方を中心に外出を控える方が増えます。 さらに、ガーデニングを楽しむ人も春や秋に比べて少なくなります。 「暑い時期に植えても枯らしてしまいそう…」 そんなイメージを持つ方も多
7月22日


園芸市場の「せり」の世界|独特の数字と指のサイン、その奥深い文化とは
私は週に2~3回、園芸市場へ仕入れに行きます。 一般のお店で植物を1鉢ずつ購入するのとは違い、 私たちは24ポット入りなどのケース単位で買い付けるのが基本です。 私は安く買える競りによく参加します。 園芸卸売市場の競りは、 価格が徐々に下がっていく 「下げせり」という方式です。 まずは出品者の希望価格から始まり、 競売人が少しずつ価格を下げていきます。 そして、自分が 「この値段なら買いたい」 と思ったタイミングで、 何ケース購入するかを意思表示します。 逆に、 「この価格なら買います」 とこちらから希望価格を提示することもあります。 その際に使われるのが、 園芸市場ならではの独特な 「手やり(指のサイン)」 です。 数字は片手だけで表現します。 例えば、100円や1,000円は人差し指1本、 200円や2,000円は人差し指と中指の2本というように表します。 ところが、3は人差し指ではなく、中指・薬指・小指の3本を使ったり、 6は親指だけを出したりと、初めて見る人には少し不思議な形になります。 さらに価格には独特の業界用語もあります。 120円
7月13日


駄菓子屋から学ぶ、地域に愛される園芸店のつくり方
昔は、近所に駄菓子屋がたくさんありました。 私も学校帰りになると、友達と一緒に駄菓子屋へ寄り、 限られたお小遣いでどのお菓子を買おうか真剣に悩んだものです。 駄菓子屋は、お菓子を買う場所であると同時に、 子どもたちが集まり、遊び、 お店の人と会話を楽しむ 「地域のコミュニティ」でもありました。 当時は高度経済成長期で子どもの人口が多く、 小さな資本でも自宅の一角を使って開業できたことから、 多くの個人商店が誕生しました。 子どもたちが毎日のように立ち寄る場所だったため、 商売としても成り立ちやすい環境だったのです。 しかし現在では、コンビニや大型スーパーの普及、 そして少子化の影響もあり、 昔ながらの駄菓子屋は大幅に減少しました。 時代の流れとはいえ、地域の交流の場が少なくなってしまったことは、 とても残念に感じます。 一方で、この変化は新しいチャンスでもあるのではないでしょうか。 人と人が自然に集まり、会話が生まれる場所は、 今だからこそ求められています。 私は、その役割を園芸店が担える可能性があると考えています。 植物を販売するだけではなく
6月29日
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