「異常な暑さ」が「普通の暑さ」になる? これからの園芸業界を考える

毎日暑い日が続いていますね。
少し前まで、ヨーロッパやアメリカでは「地球温暖化」という言葉をニュースで頻繁に目にしました。
ところが最近は、以前ほど耳にしなくなったように感じます。
「温暖化への関心が薄れたのかな」
と思う一方で、世界では相変わらず厳しい暑さが続いています。
実は、温暖化そのものが止まったわけではありません。
むしろ問題が「地球温暖化」という大きなテーマから、熱波、干ばつ、山火事、水不足、農作物への影響、電力問題など、私たちの生活に直接関係する個別の問題へと変わってきたのだと思います。
40℃が一度出たときは、
「史上最高気温!」
となります。
しかし翌年も40℃、その翌年も40℃……となると、
40℃が「異常」ではなく「今年の夏は暑い」という感覚になってしまう。
心理学的には、異常な状態が繰り返されると、それを新しい日常として受け入れてしまうという現象があります。
2026年のフランスでも、繰り返される熱波によって若者の気候不安が強まる一方、
「また熱波か」といった感覚も広がっていることが報じられています。
以前は「将来、地球が暑くなる」という話でした。
今は「今年の夏をどう乗り切るか」という話になっています。
そして、この変化は園芸の世界にも確実に影響していくはずです。
例えば、昔は9月になれば「秋」という感覚がありました。
しかし最近は、9月になっても真夏のような暑さが続くことがあります。
そうなると、秋の花苗を早く仕入れても、お客様が植えられない。
逆に、10月になってようやく気温が下がると、一気に植え替え需要が高まる。
「暦の上の季節」と「植物が感じている季節」が、少しずつズレてきているのです。
これからの園芸では、これまで以上に「耐暑性」が重要になると思います。
暑さに強い植物、乾燥に強い植物、蒸れにくい植物。
そして、植物だけではありません。
バークチップで土の乾燥を防いだり、適切な用土を選んだり、遮光したり、自動散水を取り入れたり。
これからは「植物を販売する」だけではなく、
「暑くなった環境で植物をどう育てるか」を提案することが、園芸店の大切な仕事になっていくのではないでしょうか。
これは、決して悲観的な話ではありません。
気候が変われば、植物の選択も、植える時期も、育て方も変わる。
つまり、そこには新しい園芸の需要があります。
「この植物なら暑い新潟の夏でも育てやすいですよ」
「この場所なら、この植物の方が合います」
「夏を越すために、今のうちにこうしておきましょう」
そんな提案ができる園芸店には、これからますます価値が出てくると思います。
地球温暖化という言葉がニュースから少し減ったとしても、植物は気候の変化を正直に感じています。
だからこそ私たち園芸に関わる人間は、ニュースの言葉だけを見るのではなく、植物の変化を観察していきたい。
「温暖化をどう止めるか」だけではなく、
「変わっていく環境の中で、植物とどう暮らしていくか。」
これからの園芸には、そんな視点がますます必要になってくるのではないでしょうか。





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