商売をしているからといってその道のスペシャリストではない
- ナーセリー ハッチ
- 4月22日
- 読了時間: 2分

私はこれまで園芸と教育の業界に携わってきました。
現在も園芸業界で活動しており、長年関わってきた中で感じるのは、
「商売をしている=専門知識がある」
という認識は必ずしも正しくない、ということです。
たとえば私は、園芸小売業の組合に所属していますが、組合員すべてが植物に詳しいわけではありません。
中には、基本的な植物の管理すら適切にできていない方もいます。
実際、市場で仕入れた花苗の中をよく観察すると、品質に問題があるものも多く見られます。
状態が悪いのにそのまま販売していたり、適切な管理がされていなかったりするのです。
こうした背景には、
「とにかく儲かればいい」
「手間をかけずに利益を上げたい」
といった考え方が見え隠れしているように感じます。
もちろん、きちんと知識を身につけ、誠実に植物を育て、丁寧な販売をしている方もいます。
しかし全体として見ると、お客様の立場からは
「お店を構えている=その道のプロ」
と思われがちで、実際の中身とのギャップがあるケースも少なくありません。
これは園芸業界に限らず、他の業界でも同様です。
たとえば医師であれ、飲食店の店主であれ、
「その道で仕事をしている=専門性が高い」
と思われやすいものです。
私は過去に専門学校で講師をしていた経験もありますが、そこでも教員の質にばらつきがありました。
多くの先生方は情熱を持ち、常に情報をアップデートしながら学生に向き合っていましたが、中には人間関係や感情面で問題を抱えている方もいました。
生徒たちは、教える側の人間性や誠実さを敏感に感じ取っており、それが教育の質にも大きく影響します。
この文章を読んでくださっている方の中にも、何らかの商売をされている方がいらっしゃるかもしれません。
私自身、偉そうなことを言える立場ではありませんが、日々の仕事に手を抜いたり、誠意を欠いた対応をしてしまうと、それは必ずお客様に伝わります。
特に、情報がすぐに共有される今の時代では、その影響は非常に大きいと感じます。
私が常に心がけているのは、お客様に対して価値のあるサービスや商品を提供すること。
そのためには、自分自身の知識や技術を定期的に見直し、アップデートを怠らない姿勢が大切だと考えています。
商売とは、お金を得る手段である前に、
「信頼を積み重ねていく行為」
であることを、これからも忘れずにいたいと思います。
Comments