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クマと人との共存を考える前に──私たちが知るべき“情報の受け取り方”
先日、クマと人間の共存についてお話ししました。 近年、クマの目撃件数や被害が頻繁にニュースで報じられており、被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。 クマ被害が増加している背景には、前回も触れたように、どんぐりの不作による餌不足や、里山と人間の生活圏が接近していることなどが挙げられます。 直近の被害件数を見ても増加傾向が続いており、令和5年度は197件、2025年11月時点では176件の被害が確認されています。 行政や民間団体によるさまざまな対策が進められているものの、 連日クマ関連のニュースが報じられることで、 あたかも全国で「数千件・数万件」の被害が発生しているような印象を抱きがちです。 しかし、私たちの周囲にはクマ以外にも多くの危険が存在します。 例えば、交通事故は年間30万件にのぼり、 コロナやインフルエンザで亡くなる方は年間数万人規模に達します。 ここでは正確な数字よりも“規模感”を比較することが目的ですが、 数万人に対してクマ被害は年間数百件に過ぎません。 割合にすると、1/100にも満たない規模です。 もちろん、「被害が少
11月19日


薪のぬくもりとクマの足跡
最近、テレビでは毎日のようにクマによる被害が報道されています。 被害を受けた方々には心よりお見舞い申し上げます。 クマが人里に姿を現すようになった理由は単一ではなく、 気候変動による食料の不足や、 ハンターの減少による天敵の消失など、 様々な要因が考えられます。 さらに、私たちの生活スタイルの変化も影響しているでしょう。 昔は、人々は薪を集めたり炭を作ったりするために里山に入って、 自然の恵みを有効活用して生活していました。 しかし、原子力や石油によるエネルギー革命以降、薪や炭を使う機会が減り、 里山に訪れる人も少なくなりました。 そのため、人の手が入らなくなった山や森は荒れ、 動物たちは人里に降りてくるようになりました。 日本は自然に恵まれた国ですが、その豊かな自然を十分に活かせていないのではないでしょうか。 「儲からない」「不便だ」という理由で 手入れされずに放置されている里山が全国に広がっています。 里山は人と自然が共生する知恵が詰まった場所であり、 それを失うことは自然との関わりを失うことでもあります。 しかし、最近では状況が少しずつ変わ
11月12日


日本の文化を守るべきか、変えるべきか?
日帰り温泉が好きでよく行くのですが、最近気になることがあります。 若い方で、ワンポイントのようなおしゃれな刺青を入れている人が、タオルで隠しながら入浴している場面を時々見かけるのです。 ほとんどの温泉や銭湯には「刺青・タトゥーのある方は入浴お断り」という表示があります。これは法律で禁止されているわけではありませんが、日本社会には「公共の暗黙のルール」として根強く残っているものです。昔から刺青=怖い人、反社会的、というイメージがあり、それが今でも残っているためです。 しかし最近は、刺青を「おしゃれ」として楽しむ若い世代も増えています。そうした価値観の変化を考えると、これまでのルールと現実の間にズレが出てきているのかもしれません。とはいえ、ルールを知ったうえで「隠しながらでも入りたい」という中途半端な行動には、正直「それなら最初から入れるなよ」と感じてしまうこともあります。 ただし、この考え方自体が今後は大きく変わっていく可能性があります。理由のひとつは、外国人の増加です。労働者として日本に住む人も、観光で訪れる人も急激に増えています。彼らにとってタ
10月20日
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