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日本のGDPが低い理由は、花や植物を見るとよく分かる

  • 執筆者の写真: ナーセリー ハッチ
    ナーセリー ハッチ
  • 3 日前
  • 読了時間: 3分


日本の一人当たりGDPが低い、というニュースを見るたびに、

「日本はもう衰退しているのではないか」

「生活が苦しくなる一方なのではないか」

といった不安の声を耳にします。

しかし、この数字だけを見て日本を悲観するのは、少し早いのかもしれません。


そもそも一人当たりGDPは、主にドル換算で各国を比較する指標です。

そのため、円安が進めば、国内で生み出している価値が同じであっても、数字は自動的に低く見えてしまいます。

つまり、日本の一人当たりGDPが下がって見える背景には、実力の低下というより、為替による「見た目の変化」が大きく影響しているのです。


さらに、日本の人口構造もこの数字に影響しています。

高齢化が進み、働いていない人の割合が増えると、国全体で生み出した付加価値を、より多くの人口で割ることになります。

その結果、一人当たりの数字は伸びにくくなります。

これは、日本人一人ひとりの能力が下がったという話ではなく、人口構成による割り算の問題とも言えるでしょう。


また、日本は成長産業が少ないとも指摘されます。

アメリカのように、ITや金融、プラットフォーム産業など、

高い利益を生み出す分野が経済を牽引している国と比べると、日本は製造業中心で、価格競争に巻き込まれやすい構造を長く続けてきました。

技術力は高く、品質にも妥協しないにもかかわらず、

「良いものを安く提供する」

ことを美徳としてきた結果、

付加価値を価格に反映するのが苦手になってしまったのです。


その影響は賃金にも表れています。

生産性が上がっても、給料や価格に反映されにくい構造が続き、

結果として消費も伸びず、GDPも大きく成長しない。

これは個人の努力不足ではなく、社会全体の仕組みの問題だと言えるでしょう。


ただし、一人当たりGDPが低いからといって、日本の暮らしの質が低いわけではありません。

治安の良さ、医療制度の充実、インフラの整備、水や空気の安全性など、

日本は世界的に見ても非常に恵まれた環境にあります。

数字には表れにくい価値が、日常のあちこちに存在しています。


日本が本当に苦手なのは、能力や資源ではなく、

「価値のつけ方」

なのかもしれません。


これは園芸業界を見ていると、特によく感じます。

同じ花、同じ植物であっても、

作り手の思いや背景、暮らしの中での楽しみ方を伝えることで、価値は大きく変わります。

それにもかかわらず、日本の園芸業界では価格を上げることに慎重すぎて、

自分たちの価値を自分たちで下げて、

価格競争に陥ってしまっている場面が少なくありません。


日本には、

「作る力」も、「感じる力」も、

すでに十分に備わっています。

足りないのは、それを正しく評価し、適切な価格をつけて、国内外に届けていく意識です。


一人当たりGDPの低さは、日本の限界を示す数字ではなく、

自己評価の低さが表れた結果なのではないでしょうか。

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