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どうして夏になると、園芸店の花苗はこんなに安くなるの?
園芸店で「SEAL」「大特価」と書かれた花苗を見て、 不思議に思ったことはありませんか? 「売れ残りだから?」 「品質が悪いから?」 そう思われる方もいるかもしれません。 しかし、実際にはそれだけが理由ではありません。 私はほぼ毎日園芸市場へ仕入れに行っています。 その中で見えてくるのは、生産者、市場、そして園芸店、 それぞれにある"夏ならではの事情"です。 理由① 生産者が安く出荷しているから 夏は花苗の流通量が増える時期でもあります。 農家さんにとって、花苗を長く持っていることは大きな負担になります。 毎日の水やりや管理には手間とコストがかかり、 売れ残れば品質が落ちたり枯れてしまったりすることもあります。 そのため、「ロスになる前に出荷したい」 という考えから、通常より安い価格で市場へ出荷されるケースが多くなります。 理由② 夏はお客様が少なくなるから 暑くなると、高齢の方を中心に外出を控える方が増えます。 さらに、ガーデニングを楽しむ人も春や秋に比べて少なくなります。 「暑い時期に植えても枯らしてしまいそう…」 そんなイメージを持つ方も多
5 日前


園芸市場の「せり」の世界|独特の数字と指のサイン、その奥深い文化とは
私は週に2~3回、園芸市場へ仕入れに行きます。 一般のお店で植物を1鉢ずつ購入するのとは違い、 私たちは24ポット入りなどのケース単位で買い付けるのが基本です。 私は安く買える競りによく参加します。 園芸卸売市場の競りは、 価格が徐々に下がっていく 「下げせり」という方式です。 まずは出品者の希望価格から始まり、 競売人が少しずつ価格を下げていきます。 そして、自分が 「この値段なら買いたい」 と思ったタイミングで、 何ケース購入するかを意思表示します。 逆に、 「この価格なら買います」 とこちらから希望価格を提示することもあります。 その際に使われるのが、 園芸市場ならではの独特な 「手やり(指のサイン)」 です。 数字は片手だけで表現します。 例えば、100円や1,000円は人差し指1本、 200円や2,000円は人差し指と中指の2本というように表します。 ところが、3は人差し指ではなく、中指・薬指・小指の3本を使ったり、 6は親指だけを出したりと、初めて見る人には少し不思議な形になります。 さらに価格には独特の業界用語もあります。 120円
7月13日


園芸店が本当に売るべきものは「植物」ではない
商売において「付加価値をつけること」は鉄則だと言われます。 では、園芸業界における付加価値とは何でしょうか。 私は、その一つが 「植物をうまく育てられること」だと考えています。 たとえば一年草なら、いずれ寿命が来るとしても、できるだけ長く花を楽しめること。 宿根草なら毎年きれいに咲かせること。 観葉植物や多肉植物なら、長く美しい状態を保ちながら楽しめること。 つまり、お客様が 「買った後も植物との暮らしを楽しめること」こそ、 本当の付加価値ではないでしょうか。 そのために必要なのは、知識・情報、そして経験です。 植物は、ただ水をあげれば育つものではありません。 日当たり、水やり、肥料、植え替え、季節ごとの管理など、少しのコツを知っているだけで結果が大きく変わります。 だから私は、できるだけお客様へ情報を届けたいと考えています。 寄せ植え教室や講座では、ただ植えるだけではなく、 園芸の基礎や育て方のコツを必ずお伝えしています。 商品を販売する際にも、POPを工夫し、 「どう育てればよいか」 「どんな特徴があるか」 が分かりやすく伝わるよう心がけてい
5月29日


高齢化とDXのギャップが生む“非効率”の正体
私がいる園芸業界では、高齢者が多く、 スマートフォンを使う人はまだそれほど多くありません。 中には今でもガラケーを使っている方もいるくらいです。 そして、通信手段の中心はいまだにFAXです。 一見すると時代遅れに感じるかもしれませんが、 現場ではこれが最も合理的な手段になっています。 なぜなら、 「一番多くの人が使えて、確実に届く」 からです。 どれだけ便利なデジタルツールがあっても、 使える人が限られていれば意味がありません。 その意味では、FAXは園芸業界において “最先端の共通インフラ”とも言えます。 ただ、本来であればデジタル化が進めば、 手間やコストは確実に削減できます。 受発注や連絡、在庫管理など、 多くの業務は効率化できるはずです。 それでもデジタル化が進まないのは、 高齢者にとって新しい機器や操作を覚えることのハードルが高いからです。 これは園芸業界に限らず、多くの業界に共通している問題ではないでしょうか。 だからこそ、日本全体の産業をより良くしていくためには、 AI化やDX化を進めていく必要があると感じています。...
4月4日


園芸業界の現場から考える為替相場
円安が進み、為替介入が話題になるたびに 「これから円はどうなるのか」 「円高に戻るのか」 という声をよく聞きます。 ですが、自営や中小事業者にとって 為替を正確に読むことは、正直かなり難しい。 大切なのは 当てることではなく、耐えられること だと思います。 為替が経営に与える影響で 一番じわじわ効いてくるのは、利益ではなく 資金繰りです。 円安になると 輸入資材、燃料、エネルギーコストが上がる。 売上はすぐに増えないのに 仕入れや経費だけが確実に増えていく。 この状態が続くと 気づかないうちに体力が削られていきます。 円安の原因は、日本の努力不足というより 日米の金利差です。 金利の高い国の通貨が買われ 低い国の通貨が売られる。 これは個人や事業者が コントロールできるものではありません。 だからこそ 経営側が、為替に合わせて 壊れにくい形を作る必要があります。 自営にとって重要なのは 「いくら借りているか」より 毎月いくら返しているかです。 売上が2割落ちても 返済できる水準かどうか。 金利が少し上がっただけで 苦しくなる状態は、かなり危険です
1月24日


日本のGDPが低い理由は、花や植物を見るとよく分かる
日本の一人当たりGDPが低い、というニュースを見るたびに、 「日本はもう衰退しているのではないか」 「生活が苦しくなる一方なのではないか」 といった不安の声を耳にします。 しかし、この数字だけを見て日本を悲観するのは、少し早いのかもしれません。 そもそも一人当たりGDPは、主にドル換算で各国を比較する指標です。 そのため、円安が進めば、国内で生み出している価値が同じであっても、数字は自動的に低く見えてしまいます。 つまり、日本の一人当たりGDPが下がって見える背景には、実力の低下というより、為替による「見た目の変化」が大きく影響しているのです。 さらに、日本の人口構造もこの数字に影響しています。 高齢化が進み、働いていない人の割合が増えると、国全体で生み出した付加価値を、より多くの人口で割ることになります。 その結果、一人当たりの数字は伸びにくくなります。 これは、日本人一人ひとりの能力が下がったという話ではなく、人口構成による割り算の問題とも言えるでしょう。 また、日本は成長産業が少ないとも指摘されます。 アメリカのように、ITや金融、プラット
1月21日


シンビジウムは時代遅れなのか?
年が明けてから、市場のせりで シンビジウムの価格が急落しています。 年末と比べて、半額から、ものによっては4分の1程度。 これは単なる値下がりではなく、構造的な崩れではないでしょうか。 私自身もシンビジウムを販売していますが、 年々、確実に手応えがなくなっていると感じています。 シンビジウムは寒さに強く、花も大きく豪華で、 かつてはお歳暮などの定番の贈答用でした。 しかし、住宅事情が変わった今、 「大きすぎて置き場所に困る花」になってしまっています。 さらに、鉢植えの植物には 「もらった以上、枯らしてはいけない」 という心理的な負担がつきまといます。 その重さが、購入のハードルを 知らず知らずのうちに上げているのかもしれません。 こうした要因が重なり、 シンビジウムの需要は静かに、しかし確実に縮小しています。 一方で、生産者はどうでしょうか。 時間も手間もコストもかけて育てたものが、 二束三文で売られてしまう現実。 これで「来年も作ろう」と思える人が、 果たしてどれだけいるでしょうか。 これは、シンビジウムだけの問題ではありません。 作る側と、買
1月14日
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