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「大人」はなぜ「おとな」と読む?「小人」との不思議な関係を調べてみた

3 日前
読了時間: 4分

普段、何気なく使っている「漢字」。


私たちは「大人」と書いて、当たり前のように「おとな」と読みます。


でも、よく考えてみると不思議ではありませんか?


「大人」をそのまま読めば「だいじん」や「たいじん」。

「小人」なら「しょうじん」など、いろいろな読み方があります。


ところが、駅や映画館、バスなどの料金表を見ると、


大人(おとな)

小人(しょうにん)


と書かれています。


なぜ「大人」は「おとな」なのに、「小人」は「こども」ではないのでしょうか。


調べてみると、そこには日本語ならではの面白い歴史が隠れていました。


「大人=おとな」は、日本語独特の読み方


「大人」を「おとな」と読むのは、

熟字訓(じゅくじくん)と呼ばれる読み方の一つです。


熟字訓とは、漢字一字ずつの音を組み合わせるのではなく、

複数の漢字をひとまとまりとして、もともと日本にあった言葉を当てる読み方です。


たとえば「今日」を「きょう」、

「昨日」を「きのう」と読むのも、その代表的な例です。


「おとな」という言葉は、日本に古くからあった大和言葉です。


一方、「大人」という漢字は中国から伝わった漢語で、

もともとは「立派な人」「徳のある人」「身分の高い人」などを表す言葉として使われていました。


やがて日本では、「一人前の人」「年長者」を意味する「おとな」と、「大人」という漢字が結びつきました。


つまり、


「大」=お

「人」=とな


という意味ではありません。


「大人」という二文字を丸ごと見て、「おとな」と読むのです。


日本語には、こうした柔軟な漢字の使い方がたくさんあります。


では「こども」は「小人」なの?


ここで気になるのが「小人」です。


「大人」の反対なら、「小人」と書いて

「こども」と読んでもよさそうですよね。


実際、映画館や鉄道などの料金区分では、


大人=おとな

小人=しょうにん


という組み合わせをよく見かけます。


しかし、この「小人」は、

一般的な日本語として「こども」と読む言葉ではありません。


「小人(しょうじん)」には、古い漢語として

「器の小さい人」「人格的に未熟な人」などの意味もあります。


そして、料金表などで使われる

「小人(しょうにん)」は、主に子どもを意味する区分として定着したものです。


ここが「大人」と「小人」の面白いところです。


同じ「人」という漢字が入っているのに、

読み方も使われ方も少し違います。


中国語では「小人」に要注意!


さらに面白いのが中国語です。


中国語でも「大人」という言葉は存在し、

文脈によって「大人」「立派な人」などを意味します。


しかし、中国語で「子ども」を表すときに、普通は「小人」とは書きません。


「孩子」や「儿童」などの言葉が使われます。


では、中国語で「小人」と書くとどうなるのでしょうか。


実は「小人(xiǎorén)」には、

「卑劣な人」「心の狭い人」「ずる賢い悪人」といった意味があります。


つまり、中国語圏で「小人」という言葉を見たとき、

日本語の「子ども」の感覚で理解すると、まったく違う意味になってしまうのです。


同じ漢字を使っていても、言葉はそれぞれの国で独自の変化をしていきます。


漢字は中国から日本に伝わりましたが、

日本人はそこに日本語の言葉や読み方を組み合わせ、

独自の日本語を作っていきました。


料金表に残る、日本語の歴史


現在の私たちが見る「大人・小人」という料金表示。


一見すると、ただの年齢区分にしか見えません。


でも、その二つの言葉を少し掘り下げてみると、


日本古来の「おとな」という言葉

中国から伝わった漢字

日本独自の熟字訓

古い漢語としての「小人」


など、長い言葉の歴史が詰まっています。


特に面白いのは、「大人」と「小人」が、

必ずしも現在の感覚で完全な対義語として作られたわけではないということです。


日本語は、長い時間の中で、人々が実際に使ってきた言葉が少しずつ変化しながら現在の形になっています。


だからこそ、漢字を一つひとつ調べてみると、

「なぜこんな読み方をするの?」という疑問の先に、

昔の人々の暮らしや考え方が見えてきます。


次に駅や映画館の料金表で、


「大人 おとな」

「小人 しょうにん」


という文字を見かけたら、ぜひ少しだけ立ち止まってみてください。


たった四文字の中にも、日本語が長い年月をかけて変化してきた歴史が隠れていると思うと、

いつもの漢字が少し違って見えてくるかもしれません。

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