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なぜ日本はハンコをなくせないのか?AI時代に必要なのは「仕事をなくす」発想

10月5日
読了時間: 4分

日本では、長い間「ハンコ」が仕事の一部として使われてきました。

申請書にハンコを押す。

上司のハンコをもらう。

書類をFAXする。

届いた書類を確認し、またハンコを押す。

デジタル化が進んだ今でも、こうした光景は残っています。

「ハンコ業界などの既得権益があるから」と考えたくなりますが、それだけではありません。


実際には、ハンコを中心とした仕事の仕組みそのものが、長い時間をかけて社会に組み込まれているからです。

例えば会社の稟議書。担当者、係長、課長、部長……とハンコを押していく。

非効率に見えても、

「みんなで確認した」という証拠になります。

つまりハンコは、承認の道具であると同時に、

責任を分散する道具にもなっていたのです。


園芸業界にもある「昔からの仕事」

こうした問題は、園芸業界も決して無関係ではありません。

園芸店では、植物の仕入れ、値付け、在庫管理、売場づくり、POP作成、伝票処理、SNS投稿、イベントの案内など、実に多くの仕事があります。


しかも、その中には「昔からそうしているから」という理由で続いている作業もあります。

例えば、紙に書いた仕入れ伝票を確認し、パソコンに入力する。

売場の商品を一つずつ確認して在庫を数える。

イベントの案内文を毎回ゼロから作る。

写真を撮って、それを加工して、文章を考えて、SNSに投稿する。


一つひとつは小さな仕事です。

しかし、こうした作業が毎日積み重なると、かなりの時間になります。

重要なのは、これらを単純にデジタル化することではありません。

「この作業は本当に人間がやる必要があるのか?」

と考えることです。


AIは「人手不足」を補うだけではない

ここでAIが大きな力を発揮します。

例えば園芸店なら、植物の特徴や育て方を入力すれば、POPや商品説明の文章を作ることができます。

イベントの内容を伝えれば、Instagramの投稿、チラシ、メール、ブログ記事など、それぞれの媒体に合わせて文章を作ることもできます。

売上データを分析して、どの商品が売れているのか、どの時期に何を仕入れるべきなのかを考えることもできます。

もちろん、植物を育て、売場をつくり、お客様と会話する仕事までAIに任せる必要はありません。

むしろAIに事務作業を任せることで、園芸の専門知識を伝えたり、お客様の庭について相談に乗ったり、植物の魅力を伝えたりする時間を増やす。

これこそがAIの使い方ではないでしょうか。


AIは「人間の仕事を奪うもの」と考えられがちです。

しかし本当は、

人間がやらなくてもいい仕事を引き受け、

人間にしかできない仕事に時間を戻してくれる道具

と考えたほうがいいのかもしれません。


人口減少時代、園芸業界も「仕事を減らす」発想へ

日本はこれから人口減少と高齢化が進み、働く人が減っていきます。

園芸業界も例外ではありません。

「人が足りないから、もっと人を雇おう」

だけでは、これからの時代は限界があります。

必要なのは、

人を増やすだけではなく、一人ができる仕事を増やすこと。

そして、そのためには「仕事を減らす」という発想が必要です。

ハンコをなくす。

紙を減らす。

二重入力をなくす。

必要のない確認作業をなくす。

そしてAIに任せられる仕事はAIに任せる。

その結果、人間は植物を選び、お客様と話し、売場をつくり、新しい商品やサービスを考える。


これは園芸店だけではありません。

農業、飲食、建設、介護、小売りなど、日本中の中小企業に共通する課題です。

人口減少は、日本にとって大きな弱点です。

しかし見方を変えれば、日本は世界に先駆けて、

「人が少なくても、豊かに仕事ができる社会」

を作る必要に迫られている国でもあります。


ハンコをなくすことが目的なのではありません。

AIを導入することが目的でもありません。

本当に大切なのは、

「そもそも、その仕事は必要なのか?」

と問い直すこと。


そして、人間にしかできない仕事に、人間の時間を取り戻すこと。

これからの園芸業界にも、日本社会にも、そんな発想が必要なのではないでしょうか。


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